ラパス〜治安は悪いがカレーはうまい!

(7月21日)

あらためて、ボリビアはどんな国?

ボリビアは、南米の中央に位置する内陸国で、南米で最も貧しい国のひとつです。手元にある地球の歩き方に載っているわずか半ページの説明によると(もう少しマシなソースを参照しないのかというツッコミはなしで)、先住民がおり、スペインによる植民地化を経て独立、という流れは他の南米諸国と同じです。ボリビアは以前は海へのアクセスを持っていたのですが、100年以上前にチリと戦争し、海への玄関口を奪われて内陸国になってしまいました。しかも、そのチリが持って行った領土から、いまでもチリ経済を支えるカラマ銅山が発見され、ボリビアから見たら踏んだり蹴ったりです。そんな背景があり、政治レベルでは今でもボリビアとチリは仲があまりよくないそうです。

正直なところ、大きな歴史レベルで見るとメキシコやペルーと似たような歩みで、かつペルーでインカ帝国など山の文明には満足したため、ボリビアではあまり史跡を見る予定はありません。というわけで、今日のラパス観光はぶらぶら街歩きが中心、明日にはウユニ塩湖を目指します。

ラパス観光という名の散歩に繰り出す

今日はぶらぶら町歩きなので、めぼしい観光名所、食べる場所、安全そうなルートを事前に確認して、あとはのんきに歩き出します。おっと、ただしラパスは南米でも有数に治安が悪い街として有名なので、最小限の現金だけを持ち歩き、他はバックパックにしっかり鍵をかけてホテルのフロントに預けてきました。ホテルのフロントに預けて盗まれたらどうしようという心配もあるわけですが、部屋にセーフティーボックスがないので仕方ありません。「これはとても価値あるものだから、絶対に大事に見ててくれよな(なくしたら訴えるぞ)」と3回フロントで念を押して、出発です。

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(サガルナガ通りからほど近い場所にあるサンフランシスコ寺院と広場。この日は日曜日で、観光客や地元の人など人出は多めです。標高が高いから、空が青い!)

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(サンフランシスコ寺院から大統領官邸などがある政治の中心のムリリョ広場を目指します。しかし、ここは官庁街かオフィス街のようで、日曜日はほとんどお店が開いていません。お店は閉まっているし、人はいないしで、昼間ですがややまわりを警戒しながら歩きます。南米で日曜日は鬼門です。たいがいどこの街でも、店はことごとく閉まり人の数が減ります)

サルテーニャが美味しすぎる

人通りの少なさにめげず、ムリリョ広場の近くにあるConfiteria La Gaitaというボリビア料理のお店を目指します。歩き方に載っているお店です。あまりにもお店が閉まっているので無休と書いてあるけど本当にやっているのだろうか、と心配になっていたところ、ありました、お店が開いていました!そして、ここでのお目当てはサルテーニャ。中が肉汁たっぷりで、めっちゃうまいです。しかもたったの約70セント。お得すぎます。1回しか食べられなかったのが残念。

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(店内の様子。きれいなトイレもありますが、トイレットペーパーはありません)

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(ものすごく美味しいサルテーニャ。原宿に出店したら、大ヒット間違いなし)

ムリリョ広場で、悪いヤツに目をつけらた、、気がする

サルテーニャを食べた後、ムリリョ広場に到着。中の見学はパスして、今回は外から写真だけ撮ります。この広場は、警官、軍人やら遊ぶ地元の人がたくさんいて、安心できる雰囲気。

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(大統領官邸や国会議事堂など、政治的に重要な建物がまわりを囲んでいるムリリョ広場)

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(この建物が何だったかは、、忘れました。あ、十字架があるからカテドラルですね)

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(ムリリョ広場の裏にあるサントドミンゴ教会。中を覗いたところ、日曜日のミサ中でした)

さて、ここで少しアクシデント。ムリリョ広場からサントドミンゴ教会までは、1ブロック離れており、私たちが人の多いムリリョ広場から離れて人の少ない道に入った時のこと。ふっと後ろを振り向くと、見るからに悪いことをしそうな怪しい身なりの男が少し離れたところから私たちをつけているではありませんか!歩きながら妻にそのことを告げ、もう一度振り向いたらやっぱりいるので顔をしっかりと見てやりました。で、もう一度振り向いたら、あれ?いないぞ?しかし、広場から私たちがいる場所は一本道で、彼が入るような建物も見当たらないので、たぶん柱の影に隠れたのでしょうね。犯罪者ってあんなにわかりやすく怪しい雰囲気でいいのか。いや、でも隠れたということは、やっぱり悪いヤツだったに違いない。

アメリカで私が学んだ防犯の原則は、「犯罪に巻き込まれる前は相手の顔をしっかり見る。犯罪に巻き込まれたら相手の顔は見ない」です。顔を見られると犯罪者は犯罪を諦めるが、犯罪を犯した後に顔を見られたら証拠隠滅のために危害を加えてくる恐れがある、ということですね(ただし、これまでのシカゴ生活でこの原則を生かす機会は幸いにも一度もないですけど)。相手が一人とも限らず、一度目をつけられるとずっと様子を伺っているということも聞いたことがあったので、その後人通りの多い通りに移動した後も常に後ろを警戒しながら歩きましたが、結局何事も起こりませんでした。旅行中、よもや危ない目にあうかも、と感じたのはこの時だけです。彼が何者だったのか真相はわかりませんが、何はともあれ何事もなくて良かったです。

大通りを新市街に向けて歩く

さて、後ろを警戒しつつ、Avenue 16 de Julio(7月16日通り)を東に新市街に向かって歩いて行きます。ここからは写真でどうぞ。

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(お祭りをやっており、道はすごい人出です)

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(こちらのステージでは、子供から大人までいろいろな人が歌や踊りの出し物。素人の発表会のわりには、人混みがすごいです。娯楽が少ないから、こういうイベントには多くの人が集まってくるのでしょうか)

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(道を行くにしたがい、街並みがどんどん綺麗に)

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(最後はアバロア広場という綺麗な公園に到着)

さて、私たちがひたすら新市街へ歩いて行ったのは理由があります。それは、昨晩は日本食で有名なけんちゃんに行ったので、今度は美味しい欧風カレーが食べられるカフェブルーベリーズに行こうと思ったのです。しかし、この日はなんとお休み!地球の歩き方には無休と書いてあるけど、本当のところは日曜はお休み!

ブルーベリーズが開いていないショックと歩き疲れのためか、妻は具合が悪くなり、アバロア広場で少し休んだ後、今日の遅い昼食もけんちゃんで食べることにしました。

ラパスの有名な日本食屋、けんちゃん!

理由はよく知りませんが、バックパッカーの旅ブログを参考にさせていただくと必ず出てくるのがこのけんちゃん。どれだけ美味しいのか!昨夜、期待に胸を膨らませて行ってみました!

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(カツ丼と味噌ラーメン。どちらもうまい!)

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(トルーチャちらし寿司。美味しいが、まあまあ。やっぱり海鮮は海沿いで食べるべき)

ブルーベリーズが開いていなかったのでやむなくやってきた二日目、こんな感じ!

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(トンカツ。ふつうにうまい!)

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(チャーハンと餃子。これよりは、トンカツを食べるべし)

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(スタミナラーメン(?)昨日の味噌ラーメンのが美味しい)

調子に乗って写真を載せすぎました。けんちゃんは絶賛で何回も行く人もいるようですが、「それほど?」というのが正直な感想です(私たちも2回行くことになりましたが、2回目はブルーベリーズが閉まっていたための想定外訪問)。トンカツと味噌ラーメンは美味しいですが、魚はペルーやチリにも美味しいお店がありますし、中華は頼んでちと失敗しました。期待値が高すぎたのかも。もちろん、久しぶりに日本食を食べる場所としてはOKなので、良いお店だとは思います(お店の方も、ペルーだチリだとはるか遠くのお店と比較されても困りますよね、すいません)。ちなみに、現地のお客さんも結構入っている人気店でした。

ラパスで亡くなった日本人旅行者夫婦の書き込み

さて、そんなけんちゃんで食後に旅の記録帳を眺めていたときのこと。私たちはいわゆる日本人宿にはまったく泊まっていないので、日本人が書いた記録帳が新鮮です。ぱらぱら見ていたら、印象に残る書き込みが三つありました。

まず、80歳を過ぎてラパスに旅行に来たおばあちゃんの書き込み。四国の住所が書いてあり、「よかったらお手紙下さい」と書いてある。まさか、こんな危なっかしいボリビアに、80歳を越えて旅行に来る日本人がいるとは!いや、欧米人でもそんなお歳をめされた旅行者は見たことないです。恐れ入りました。

次に、ラパスからウユニに行くバスが事故にあい、事故がトラウマになってバスに乗るのが怖いということを詳細に報告する書き込み。事故で乗客のドイツ人の手がぐしゃぐしゃになって、、とか、バス会社は事故を隠蔽しようとして、とか書いてあります。さすが人の命の値段が軽いボリビア、恐ろしすぎます。私たちが旅行前に調べた結果、ラパスからウユニへのバス路線は悪路で月に1、2回は事故があるらしく、さすがにこんなところで命落としたら洒落にならないと思ったので私たちは飛行機を使いますが、それにしても実際に経験者の方の書き込みを読むと身が引き締まります。ただ、身を引き締めても乗るべきところではバスに乗るしかないというのが、難しいところなのですが。

最後が、ラパスでマラリアで亡くなった夫婦の書き込み。私はまったく知らなかったのですが、いろいろとリサーチをしていた妻によるとこの話はとても有名だそうです(リンクはしませんが、少し検索するといろいろとブログ記事が出てきます)。アフリカでマラリアに感染したものの、ラパスに弾丸で到着してから発症し、症状を高山病と誤解して治療を誤ってしまったのではないかと言われています。ノートを見ていると、けんちゃんでこのノートに書き込みをしている時、ふたりは自分たちがマラリアにかかっているとは知らなかったんだろうな、でも、一人が発熱中って書いてある、、、あ、ノートの端に「ふたりのことが本になったよ!」って他の人の字で書いてある、これは死後にブログが出版されたことだね、と、故人のことは知りませんが日本から遠く離れたボリビアの地で力尽きたお二人の肉筆からしんみりさせられます。旅の途中で体調が悪くなると(ちなみに、まさにこの時、妻は少し熱がありました)いろいろと不安になりますから、お二人はラパスでさぞかし心細かったのではないかと思います。宿に戻った後調べてみましたが、お二人はいろいろな不幸な偶然が重なってこの地で亡くなられたように感じました。ご冥福をお祈りするとともに、私たちは安全と健康の大切さに気持ちを新たにしました。私たちの旅は大した長さではないけれども、まだ1ヶ月ありますからね。

サガルナガ通りで土産物を買う

そんなこんなで夕方になり、ホテルの近くまで戻ってサガルナガ通りをぶらぶら歩いて土産物を買います。

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(リャマのミイラ。インディへナが魔術?に使うらしい。いっぱい売ってます)

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(カラフルな編み物など。妻によると、ボリビアの織物や編み物は驚くほど安く、この鮮やかな色合いがイケているらしいです。私にも、安いのはわかります)

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(はるかにアンデスの山々を臨むラパス。美しい)

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(夕焼けのラパス)

今日はこの後、宿の近くで軽く食べてタクシーで夜景を見に行こうという予定だったのですが、妻が微熱を出してしまったのでお休みすることにしました。夜景は、昨晩ホテルから見た景色でまあ満足ということで。また、今日のプランを計画する時点では昼の間に市場にも行ってみようかと話していたのですが、これも他の南米都市でも市場は見たしそんなに変わらんだろうということで省略しました。あまりラパスには気合が入っていなくてすいません。

(7月22日)

カフェブルーベリーズのカレーは激うまし

今日は、飛行機でウユニへ向かう日ですが、一晩寝て元気になった妻がどうしても昨日食べ損ねたカフェブルーベリーズのカレーが食べたいと主張するため、タクシーで(空港とは逆方向の)新市街のカフェに行き、そこからまたタクシーで空港に向かうということになりました。

私は内心、「そこまでしてカレー食うか?」と思っていたわけですが、そんな私が間違っていた!カフェブルーベリーズの欧風カレーはうまい!!!

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(素敵なカフェ内。突然、このカフェ内だけ先進国です。このカフェがあるのは、ラパスの大使館街なので、日本でいば麻布十番という感じでしょうか)

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(これが欧風カレー。めっちゃうまい!!アメリカで「あー美味しいカレーが食べたいなー」とずっと思っていた私にはたまらないうまさのカレーです。少し水っぽくも感じましたが、日本で言っても町のカレー屋よりはレベルが高く、ホテルの欧風カレーですという感じ。牛肉が柔らかくて美味しい)

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(こんなに洗練されたカフェラテをラパスで飲めるとは思わなかった。ちなみに、照り焼きチキンも美味しいらしいです)

けんちゃんとカフェブルーベリーズ、どちらかにしか行けないなら、私はカフェブルーベリーズをお勧めします。お店のお姉さんも親切です。カフェブルーベリーズ、シカゴにも是非出店していただきたい!

というわけで、日本食とカレーを食べてばっかりでラパスで何やっているんだという感じですが、町歩きを堪能して雰囲気はわかったということで、今日は飛行機でウユニに向かいます。続きは次回。