クスコからプーノへ〜快適すぎて記憶に残らないバスの旅

(7月18日)

今日は、Wonder Peruというバスでクスコからプーノへ移動。英語の話せるガイドがついて、道すがら観光地に寄って解説もしてくれるという優れものです。

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(Wonder Peruのバス。立派です)

さて、この日の内容ですが、残念ながらよく覚えていません。人間とは不思議なもので、自分でガイドブックやインターネットの情報と首っ引きになって、あるいは人に聞いてまわって、自分で一生懸命立てたプランの内容についてはよく覚えているのですが、バスツアーに乗ってどこかに連れて行ってもらいましたとなると途端に内容を記憶できないもののようです。旅程の詳細はこちらに載っているので、記憶に残ったことだけ書いていきます(Wonder Peruが、機械翻訳とはいえ日本語のページを持っていることがびっくりです)。

バスの手配がアナログすぎる

旅程に入る前に、バスを予約した時の話です。チケット販売所で、おじさんにバスの代金を払うと、おじさんがチケットの半券のようなものに、日にち、氏名、人数、支払済かどうかなどを手で記入し、それをチケットとして私たちにくれます。途中でコンピューターに情報を打ち込むとか、現在の予約状況を確認するとか、そんなことはありません。定員があるバスのはずで、実際に乗ってみたらそれなりの乗車率だったわけですが、いったいこのアナログ方式でどうやって人員数を管理しているのでしょうか。おそらく、私たちがオフィスを出た後に、バス会社の営業所に電話一本して席が足りているかぐらいの確認はしているのだと思いますが、なんとも手作業です。でも、南米の山奥に行くとどこにいってもヒトの管理などそんなものでした。理由としては、それほど数をさばかないから、人手で何とかなるということがあるでしょう。もうひとつは、やっぱりここではヒトの値段は安く、コンピューター、電子機器、インターネットといったものの値段は高いんだと思います。ヒトの値段が軽いんだろうなあ、ということは、南米の最貧国ボリビアでもっと感じることになります。。

はじめに訪れるAndahuaylillas教会に面白い壁画がある

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(中が撮影禁止なので外観だけ)

この16世紀から17世紀にかけて建設された教会の壁には、現地の画家が書いた巨大な壁画があり、そこでは(支配者の)スペイン人が地獄に、現地の人が天国に行っています。ガイドは「これを描いた人はスペインによる侵略を快く思っていなかったのでしょう」と解説していましたが、よくそんなのスペイン人が許したなと思いました。黄金をふんだんに使っているのは、インカ帝国の名残でよくあることです。

昼食が意外に美味しい

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ジェノベーゼを美味しく感じるのは、長いペルー旅行中だから)

Wonder Peru保有のレストランで昼食をとりますが、これが意外に美味しいです。

標高4,335m、ABRA LA RAYAというとんでもないところを通る

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(標高を示す標識)

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(かなたにそびえるアンデスの山々。神々しい。雪山は良いですよね。怖くて登れませんけど)

クスコとプーノの境界のABRA LA RAYAという場所を通ります。ただ高いというだけで、ここではちょっと停まって記念撮影をするだけです。しかし、標高4335mなどという高さには二度と来ないような気がするので、思わず「いま、自分はとんでもないところにいるなあ」と思わずにはいられません。標高が高いと、空が近いんですね。空が近いという感覚は、初めて持ちました。

プカラ村がローカルすぎる

プカラ博物館(プカラ文明は、アンデスの古い文明のひとつ)に寄るためにプカラ村というところに寄ります。そこで地元のお祭りをやっていたのですが、そのローカル感がすごい。

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(スコップや工具などをインディへナのおばちゃんが売っています。これぐらいの小さな規模の村だと、個人でこんなふうに売るという話になるんですね。現代のスーパーマーケットとデパートにeコマースの世界しか知らない私にはとても新鮮です)

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(地元の教会。観光地ではなく地元すぎる教会なので、長くいるのがはばかられます。はじめは侵略者の宗教であったキリスト教も、今では南米の隅々まで広がっています。そういえば、私たちの旅行中にアルゼンチン出身のフランシスコ教皇がブラジルを訪れていましたが、これは南米では大ニュースになっており、私が空港でテレビを見た時などは教皇が飛行機に乗る一挙一動を漏らさず中継していました。フランシスコ教皇の誕生は、南米の人々にとっては特別な感慨があるのですね)

偽物を作る工業都市にはマフィアがはびこっているらしい

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(ペルー随一の工業都市、フリアカ)

最後にフリアカという工業都市をバスは通過。ガイドの説明によると、この町では多くの偽物を生産しており、観光業や観光客向けの施設は一切ないとのこと。そして、この町にはマフィアがはびこっているそうです。非合法なものを扱うところでは、公権力に頼れないから秩序を維持するためにマフィアがはびこる、そういうことなんでしょうか。そういえば、クスコで一瞬買おうかどうか迷ったノースフェイスのフリースは30ドルぐらいで異様に安かったですね。見た目も雑だったし、たぶんあれはこの町あたりで作られた偽物だったんだろうなあ。

プーノの町が汚いのは、税金対策のためらしい

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(プーノを車窓から。やたらと茶色くくすんで汚い町で、クスコとは大違い)

車窓から見るプーノの町はやたらと汚い。なぜそう思うかというと、(写真ではわかりにくいですが)すべての家に屋根がなく、上に伸びる鉄筋がむき出しで建設途中のような状態だからです。で、何でこんなふうになっているのかな、まさかすべての家がこれから拡張を前提にしているわけでもあるまいし、と思っていたら、ガイドが解説してくれました。「建物を完成させると建物に対する税金をとられるため、税金を逃れるために、プーノでは鉄筋をむき出しの状態にして(建物が完成していないことにして)います」。な、なんと。プーノの人々は、鉄筋がむき出しは町の景観が著しく損なわれて観光客へのウケが悪いということを知り、どうせ払ってないならその税金を廃止させてちゃんと屋根を作るべきだと思います。クスコとは大違いの殺風景ぶりにびっくりです。

そんなこんなでクスコに到着です。明日は、チチカカ湖に浮かぶウロス島とタキーレ島に行きます。

プーノの宿

San Antonio Suites

ツイン(トリプルに格上げ)で一泊37ドル。この宿は、なかなかお得だと思います。まず、スタッフの対応がしっかりしている。英語メールでバスステーションからピックアップを頼んでしっかり返事がありましたし、翌日のツアーの手配やプーノからラパスまでのバスの手配もお願いしたらしっかりとやってくれました。受付の英語が少しできるおじさんはいつもニコニコしていて暖かい気持ちになれます。部屋でWifiもつかえ、コカ茶を飲むお湯もあり(私たちはそれを使って久しぶりにインスタントのみそ汁を飲みましたが)、部屋のお湯もばっちりです。唯一、シャワールームの水はけが悪かったような気がしますが、そんなことは値段とその他のサービスの良さを考えたらまったく問題になりません。アルマス広場からも比較的近く、夜を広場周辺で食べるにも便利です。お勧めします。