クスコ(1)〜標高3400mの古都、高山病対策はしっかりと

(7月14日)

イチかバチかの高山病

朝一番の飛行機で、リマからクスコへ向かいます。クスコは標高3400mの山間の高地に空港があり、午後になると霧が出て危ないという理由があるらしく、飛行機の発着が朝に集中しています。

クスコに向かい上で一番気にかけないといけないのは、高山病です。少し調べるとわかりますが、3000mを越える場所に飛行機などでいきなり移動すると薄い酸素に体が順応できず、頭痛や吐き気などを著しく催すという大変いけていない病気(症状)です。実際、私はクスコよりもさらに標高の高いプーノで、バスの移動中グッタリと横になって何もできないでいるかわいそうなフランス人男性に会いましたし、日本人でもクスコなどでこの症状に見舞われる人は相当数いるようです。さらにやっかいなのは、これにヒットするかしないかは個人差があり、自分がヒットするかは行ってみないとわからないということ。

詳しい対策は検索するとすぐに出てくる(例えばこちら)ので調べていただきたいのですが、事前に薬を飲むという予防法があります。で、クスコに出発する日にリマの空港の薬局で「高山病対策の薬ある?」と聞いたら、「Acetak」という薬を出されました。これは、日本では「ダイモアックス」という名前で処方されている薬で、日本の場合は医師の処方箋が必要ですが、ペルーでは薬局で普通に買えます。(私のうろ覚えによれば)本来は緑内障のための薬なのですが、飲むと血管を拡張させて血液の循環を良くする効果があり、高山病の初期症状を抑えるのに力を発揮するとか。これを高山に行くはじめの何日か飲んで、体を高山に順応させれば、その後は薬なしで高山病の悪夢から逃れられるはず、というわけです。

結論としては、クスコに行く日の朝からこのAcetakを飲み始めた結果、私たち夫婦は高山病に合わずに済みました。どちらかというと私の方が高山に強いようで私は2、3日で飲むのをやめましたが、妻は念を入れて5日ほど飲んでいたと思います。上記のかわいそうなフランス人男性は夫婦で来ていたのですが、妻が私たちと同じ薬を服用して高山病にならず、旦那は違う薬を服用して全く効果がなく死にそうになっていました。そんなこともあり、Acetakは効果があるんだろうなあという印象を(素人ですが)持っています。

ちなみに、 Acetakはリマの空港で一箱(20錠)で90sol(30ドル以上)したのですが、クスコの町の薬局(インカファーマ)では35sol(約12ドル)で買えました。値段が違いすぎるのではないか、、とも思いますが、ケチってクスコに着いてから薬を探して、探している間に手遅れになっても困るので、クスコに入る前に調達した方が良さそうです。リマの町の薬局で売っていれば、そこで買うのが一番良さそうですが、確認していないのでわかりません。

クスコの宿

Los Apus Hotel & Mirador

一泊ツインルームで約70USドル。クスコは概して安全だと思いますが、そうは言っても夜に中心部のアルマス広場から大きく離れて歩き回るのはやめた方がいいと思います。この宿は、アルマス広場から歩いて数分のところにあり、少なくとも夜9時ぐらいまではアルマス広場から歩いても大丈夫です(ただし、途中で人通りの少ない小道を通る必要がある)。ロケーションとしては良い場所にあると思いますが、女性の一人旅で夜も動きたいということであればアルマス広場に近接する宿を探した方がいいかもしれません。もちろん、昼間は何の問題もありません。

(南米を旅行して感じたのは、観光の中心からどれだけ宿が離れているかは非常に重要だということです。どこに行ってもアルマス広場は警官も多く深夜まで出歩いても大丈夫なところが多いですが、そこから二本も道が離れたら真っ暗でとてもだけど危なくて夜は歩けないということもあります。特に、夜出歩きたい場合は宿が町の中心部に近いかはかなり重要です)

設備もよく、私たちが泊まった部屋にはバスタブがありました。また、私たちの泊まった部屋のバスルームの壁はインカ時代の城壁そのまま(!)で、これにはびっくりしました。他にも、バルコニーの付いた部屋などいろいろとバリエーションがあるようです。受付のお姉さんもとても親切で良くしてくれ、ボーイのお兄さんもチャーミングです。また、マチュピチュに行く時は大きな荷物を預かっておいてくれました。全体として、とても良い宿でお勧めです。

f:id:career-mountains:20130714083652j:plain
(写真がぼけていますが、この壁はインカ帝国時代のものです)

f:id:career-mountains:20130714083937j:plain
(ホテルのロビーを客室側から。食事はこのエリアでとりますが、朝夕は寒いのがこのホテルの唯一の難点(お願いすれば、ヒーターを入れてもらえます))

午後のツアーまで少し町歩き

午後のツアー開始まで少し町を歩きます。マチュピチュから戻った後にプーノまで行く際のバスチケットを買いたかったのですが、ホテルで紹介してもらった売り場がこの日は休日で閉まっていたので断念。アルマス広場では、何かのお祭りをやっていました。

f:id:career-mountains:20130714105935j:plain
(広場に集まる子供たち。この後大雨が降って、お祭りは中断していました。。)

f:id:career-mountains:20130714113232j:plain
(アルマス広場からホテルに戻るには、この小道を通る必要があります。昼間は何の問題もありませんが、夜は人通りがある時に通りたいところ。写真では暗いですが、実際は趣があって良い小道です)

クスコの主要遺跡を巡るツアーに参加して、疲れきる

クスコに朝着いて、高山病の予兆を感じなかったので、午後はホテルでクスコの主要遺跡を巡るツアーに申し込みました。まず、クスコの中心部にあるカテドラルを訪問、続いてインカ帝国の遺跡の上に建てられたサント・ドミンゴ教会を訪れ、それからクスコの郊外にある主要な遺跡(サクサイワマン、ケンコー、タンボ・マチャイ)を巡るツアーです。

このツアーで私が覚えているのは、クスコがインカ帝国の首都で政治的に重要な町であり、マチュピチュインカ帝国にとっては全く重要な都市ではないというガイドの力説、クスコの郊外に巨大な石組みの遺跡がたくさんあったこと、ぐらいです。なぜあまり覚えていないかというと、吐き気や頭痛といった高山病の症状はなかったものの、プチ高山病の症状で足が異様に重く、夜7時まで続いたツアーであまりにも疲れきってしまったからです。午後を空けておくのももったいないなと思って参加したツアーでしたが、おとなしく休んでいた方が良かったかもしれません。

f:id:career-mountains:20130714151549j:plain
(サイサイワマンの遺跡群。何でも、この見事な遺跡が保護されるようになたのは20世紀の前半からで、それまでは、家の壁などを作るためにこれらの遺跡の石はどんどん切り出されて使われていたそうです。ええ、それまでずっと遺跡を破壊してきたの!?という感じですが、どこの国に行っても、1930年〜1950年代ぐらいにかけて、過去の文化遺産を保護する枠組みが整えられはじめた印象があります。郊外の遺跡群は、ちょっと入場料が高かったです。いくらだか忘れましたが)

f:id:career-mountains:20130714162137j:plain
(途中で見かけたアルパカかリャマの大群。どちらかはしっぽが下向きで、どちらかはしっぽが上向きです。どっちだったかな、、)

ペルー料理は美味しい

この日は、プチ高山病であまりにも疲れたので、ホテルで夕食をとりました。ペルー料理のクリオージャを食べましたが、これがうまい。総じて、ペルーは料理が美味しい国だと思います。素材の旨味を理解しているお国柄で、日本人の口に合うような気がします。

f:id:career-mountains:20130714192408j:plain
(クリオージャ。クリームスープで、中にパスタのような麺が入っています。このスープを私は2回食べたのですが、メニューの具材には「卵」と書いてあるのに、1回目は卵がなく2回目は卵つきでした。そして、明らかに1回目は2回目よりも麺が多かった。私の予想では、1回目の注文時には裏でコックがこんなことを呟いていたはずです。「あー、今日はもう卵がない!仕方がない、卵なしで麺を多めにして、客から卵がないとクレームをつけられたら麺を多くしておいたと言い訳して許してもらおう」私は、卵はいらないから麺を多くして欲しい派なんですけどね、、)

そんなわけで、プチ高山病の体に鞭打って頑張った一日も終わり。明日は、マチュピチュへ移動します。