体調不良のリオデジャネイロで観光名所とサンバを楽しむ

(7月31日、8月1日、2日)

旅行の終わりまで、1ヶ月を切りました。旅行への思い入れが強すぎて、旅行記録を書いていると日常の思考が分断されてよくないので、早く書き上げるよう努力します。

バヘリーニャス→サンルイス→リオデジャネイロ、ここで体調を崩す

さて、レンソイスとバヘリーニャスでのすべてのアクティビティを終え、サンルイスにバスに帰ります。乗るバスは、行きと同じバス会社です。3時間〜4時間ぐらいの道のり。

ところが、サンルイスまであと1時間ぐらいのところで、バスが故障するというアクシデントが発生。私たちの飛行機は深夜発で、まだまだ時間に余裕があるので、時間的に問題はないのですが、何が起きたのか気になります。バスが止まり、ポルトガル語で乗客がざわざわする中よくわからないでいたところ、前の席に座っていたブラジル人のおじさんが英語ができてバスの故障だよと教えてくれました。

で、しばらくしたら、何だか今度はバスの男性乗客がみんなわらわらと降りてどこかに行ってしまいます。残された、女子供と私たち(私たちは一番後ろの席に座っていた)。彼女たちが僕を指差して笑うのでどういうことかと皆が見ているバスの後ろの方を見ると、どうも離れた場所に停まっている別のバスに対して乗客たちが何かしている様子。後でわかったところでは、私たちのバスが故障する→代わりのバスが到着するが、そのバスが側溝にはまって動けなくなる→バスの男乗客が皆でそのバスを側溝から引き上げられないかトライしていた、ということだったようで、私は男なのにバスに残っていたから笑われたようです。そんなこと言われたって、ポルトガル語わかんなくて状況が把握できてないんだから仕方がないでしょ!(苦笑)

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(暗くてわかりにくいですが、明るい場所に側溝にはまったバスがあり、これを引き上げられないかと私たちのバスの乗客が努力しています)

結局、代わりのバスは側溝から引き上げられず、もともと私たちが乗って来たバスをなおし、1時間30分ぐらい時間をロスして再出発しました。何とも楽しい、真夏の夜の出来事でした。

ちなみに、このバスでコロンビアに済んでいるという日本人の女性の方と一緒になりました。コロンビア人とおつきあいをしているとか。いやはや、日本から見ると地球の裏側のレンソイスですが、彼女、飛行機に一緒に乗った男性、もう一組弁護士夫婦と、意外にも多くの日本人に会ってしまいました。何とも不思議な話です。

さて、そんなこんなでサンルイスの空港に着いたのですが、ここで私は体調不良でダウン。前日の晩にクーラーをうっかりつけたま寝てしまい風邪気味だったところ、この帰りのバスで4時間以上強力なクーラーが直撃する席に座ってしまい、これですっかり体の調子を崩してしまったようです。熱が出てかなりしんどかったですが、午前3時すぎの飛行機でリオデジャネイロに飛びます。

朝のリオデジャネイロは霧が深い

猛烈に体調が悪く寝不足の中、飛行機はリオデジャネイロに直行します。コパカバーナ海岸にあるホテルに宿をとっており、エアコンという空港からのシャトルバスで宿を目指します。体調は悪かったのですが、外を眺めてリオデジャネイロの雰囲気をだいたいつかみます。朝は、旧市街のあたりは渋滞がひどいですね。

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(空港から、「エアコン」と呼ばれるバスでホテルへ)

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(朝のリオデジャネイロは全体的に霧が濃い)

リオデジャネイロの宿

リオデジャネイロでは、Mirasol Copacabana Hotelに泊まりました。ツインで、一泊150ドルぐらいです。ビーチが有名なリオに来たので、コパカバーナ海岸の近くのホテルに泊まりたいと思って調べ、クオリティに対して値段がお得めの宿を選んだらここになりました。コパカバーナのホテルは全体的にかなり値段が高いので、これでもお得な方です。

このホテルは、とても良いホテルでした!建物はやや古いのですが、内装はリノベーションされており綺麗です。ああ、なかなか素敵ないわゆる「ホテル」だなという感じ。チェックインは2時からだったのですが、体調が悪いことを伝えて、昼の12時から次の日の12時まできっちり24時間使わせてもらいました。また、このホテルは朝食が豪華で美味しかったです。ブラジルは、どこで食べてもスイカがおいしいのですが、このホテルで朝食べたスイカは特に美味しかったです。フロントの方々も親切で、とても良い宿でした。

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(良い三ツ星〜四つ星のホテルです)

コパカバーナビーチを散歩する

というわけで、とりあえずどうにも体調が悪かったので昼に到着後はまずシャワーを浴びて寝ます。あっという間に午後3時、まだ体調は復活しきっていませんがノロノロと観光に出発です。まず、ホテルから歩いていってコパカバーナ海岸を散歩。夏ではありませんが、コパカバーナビーチには水着の人がたくさん。波は結構高いんですね。

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コパカバーナ海岸。何日もリオデジャネイロに滞在するなら、ここでゆっくりと日焼けを楽しむのも良いかもしれない。リオっ子も観光客も、思い思いに楽しんでいる様子)

ポン・ジ・アスーカル

体調が悪く、時間もないので、リオでは原則タクシーで移動しました。おかしい、バスと地下鉄で楽しく観光する予定だったのだが。

というわけで、続けてリオの町を一望できるというポン・ジ・アスーカルへ。ひとり約20ドル以上したので、結構な入場料です。とはいえ、先日NYでエンパイアステートビルの頂上まで行こうとしたら、ひとり44ドルもとられたのよりはマシですが。メキシコシティラテンアメリカタワーは安かったな。

そんなことを思いながら、ケーブルカーで不思議な形の岩の塊(山?)に登ります。

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(ケーブルカーで、まず目の前の山に登り、続いて右奥にあるさらに高い山に登ります)

ここからのリオの眺めは、良いですね!夜景がきれいということで、ばっちり夕暮れの景色を拝んで参りました。

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(夕暮れのリオ。大都会です)

シュラスコを食べる

ホテルまで戻り、ホテルのすぐ近くにあって歩き方に載っているChurrascarua Palaceで本場ブラジルのシュラスコを食べます。単価はひとり40-50ドルぐらいのお高めの値段設定ですが、シュラスコだけでなく美味しい牡蠣なども食べられてとても満足です。ブラジルでシュラスコを食べることに、意義がある、はず。

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(写真はぼけてしまっていますが、、)

Plataformaでサンバを見る

キューバのトロピカーナでショーを見たら楽しかったので、リオでもPlataformaという観光客向けにサンバなどを踊ってくれる有名な劇場に行きます。クオリティは、悪くはないけど、チケットの値段(ひとり約70ドル)には見合わないんじゃない?というレベル。やっぱり、サンバで感動するにはリオのカーニバルを見に来るしかないのかな〜。リオのカーニバルは、本当に凄いと聞きますし。でも、謎のキュッキュなる楽器でサンバを目の前で演奏してくれたのは良かったです。あの楽器はなんなんだろう、、。

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(プラタフォルマ外観)

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(サンバショーより。とにかく、出場しているダンサーは男も女もガタイがいい。この中央のお姉さんと一緒に写真を撮ったのですが、私の頭はお姉さんの肩ぐらいまでしか高さがありません。ええ)

ショーの後半で観客がステージに上げられて各国の歌を歌うところがあったのですが、あえなく私は指名されてしまい、上を向いて歩こうを歌いました。体調が良ければもうちょっと頑張れたのですが、昨晩からの通り体調がかなり悪かったので結構しんどかったです。。そして、すべての演目が終わると「Thank you!」と言った後、まったく有り難くなさそうに3秒後には幕の裏に引っ込む男性歌手(声はいい)。妻曰く、「ダンサーって大変な仕事で、その疲れがちょっと感じられるよね」とのことで、毎日同じ内容のダンスと歌を観光客相手に商業公演して身銭を稼ぐのは、パフォーマーとしてはモチベーションを保のが大変なんだろうなと同情する私たちでした。トロピカーナの方が、クオリティは高いかな。行って良かったとは思いますけど。

コルコバードの丘に登るのに一苦労

翌日です。夜中から私はずっとお腹が痛く、結局ホテルを出発する12時まで何回もトイレに行っていました。これは、昨晩病み上がりで体調が悪いのにシュラスコをたらふく食ったのがよくなかったに違いありません。自業自得です。

そんなこんなで、夕方の飛行機までにコルコバードの丘とメトロポリターナの見学を試みます。あまりにも時間がないので、今日もフルタクシーで移動です。運賃が東京の半分以下なのが、せめてもの救い。おかしい、地下鉄とバスにたくさん乗るつもりだったのに。。熱と腹痛では仕方がない。

さて、タクシーで早速コルコバードの丘まで行くと、衝撃の事実が発覚です。丘までは電車で登るのですが、なんと満員続きで次の空きのある電車は2時間後とのこと。それでは全く飛行機に間に合わない!なんでも、この電車はインターネットでチケットを事前に買えるらしく、インターネット事前購入が主流なんだそうです。そんなの知らなかった(涙)。

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(電車乗り場。次は2時間後で、話になりません)

そこで乗り場の係員さんに聞いたところ、コルコバードの丘に登るもう一つのオフィシャルな方法として、別の広場から出ているバスに乗る方法があるとのこと。それだ!バスの乗り場までまたタクシーで移動し、あわててバスに乗せてもらって、丘の上まで登ります。バスの方が電車より値段はだいぶ安い模様です。

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(広場のバス乗り場)

丘の上に来たら、あの有名なキリスト像と写真をとります。そうです、ただ、ここに来たという事実だけが大事なのです。歴史も社会も何もあったものではない、純粋な観光客の行動でした。

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(ここに来たという事実が重要です)

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(景色もよい感じ)

とにかくメトロポリターナへ

一息をついたらあわてて丘を折り、ホテルで荷物をピックアップして、今度はメトロポリターナへ。滞在時間は、わずか10分程度!

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(これが、超現代的な教会として有名なメトロポリターナだ!訪れている私も、なんだかよくわかっていません)

そして、空港へ

そのまま、タクシーでサントス・ドゥモン空港に行き、次の目的地であるカンポグランジに向かいます。

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(リオは、慌ただしすぎて何だかよくわからなかった、、、)

リオはもともと滞在日数を一泊二日しかとっていなかったのですが、それに加えて発熱と腹痛のため、駆け足で主要観光スポットにとにかく行くという感じになってしまいました。リオは大都市で(物価は高めですが)何でもあるので、都市やビーチで遊びたい人にはとても居心地の良い街でしょう。私も、もう2、3日滞在できたら、もっといろいろなレストランに行ってみたかったですし、ナイトスポットに行ってみるのも楽しかったかもしれません。しかし、メキシコ、キューバ、ペルーまでは歴史や遺跡にも興味を持ち、ボリビアではその途上国ぶりがいろいろと社会勉強になったわけですが、チリで先進国気分になり、ここブラジルに至ってはほとんどただの観光と化してきています。まあ、仕方ない。残りの訪問地で私が気合を入れてポストを書くのは、最後のガラパゴスだけです。

というわけで、次回も軽い感じで、夕方の飛行機でカンポグランジという町を目指します。

レンソイスで美しく広大な白い砂丘を楽しむ&バヘリーニャスで商売上手なおばちゃんのお世話になる

(7月30日、31日)

目指せ、バヘリーニャス

朝7時にサンルイスの宿を出発し、バスでバヘリーニャスを目指します。バスのチケットは、前日に宿にお願いして手配してもらいました。サンルイスの宿をまわって乗客をピックアップしてバヘリーニャスまで送ってくれるバスがあり、バヘリーニャスでの泊まり先を伝えておくと宿まで送ってくれます。

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(高速道路途中の休憩所にて。ブラジルでは、バスの運転手も観光客も、皆同じ場所で食事、休憩します。ブラジルが先進国に近い証です。また、バヘリーニャスに行く観光客の半分以上は、ブラジル国内の人々。ポルトガル語がわかりません)

バヘリーニャスの宿:「グーガおばさんの宿」

バヘリーニャスでは、Villa Cruzeiro Pousada da Gugaに泊まりました。日本語にすると、グーガおばさんの宿、という感じでしょうか。ダブルで一泊80ドルぐらいです。

この宿は、面白かったです。キューバで会った民宿のお姉さんと同じぐらい、オーナーのグーガおばさんは商売人。でも、凄くいい人なんですね〜。グーガおばさんはポルトガル語しかできないのですが、こちらがポルトガル語がまったくできないとわかるや、画面が激しく割れたiPadを取り出し(野球のボールでもぶつけたかのような綺麗だが激しい割れ方をしていた)、ポルトガル語をGoogleの自動翻訳で日本語になおして意思疎通を図ろうとします。でも、ポルトガル語→日本語のGoogle翻訳は意味がよくわからないので、英語にしてもらい、あとは困った時はお互いにiPadを使って意思疎通。今日のツアーは予約した?まだなら連絡しようか?なんていうところから、今日の夜ご飯はどうする?洗濯をしたいんだけど?なんていう話まで、すべておばちゃんとはiPadを使って会話です。南米でもほとんどの宿でロビーでネットは通じますから、ほとんどの宿の人がやろうと思えばこのGoogle翻訳による旅行者との会話をできるはずですが、ここまでしてまで旅行者と徹底して意思疎通を図ろうする人はグーガおばさんが初めてです。もともとホスピタリティに溢れているのか、商売人なので少しでもサービスをして収益をあげようというのか、日本人なんてめったに来ない(トリップアドバイザーやBookin.comのコメントもポルトガル語が多い)から珍しがって親切にしてくれたのかわかりませんが(おそらく、すべて)、いずれにせよグーガおばちゃんにはとてもお世話になりました。なお、宿の設備は良い民宿という雰囲気で、良い感じです。

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(グーガおばさんの宿。おばちゃんがやさしい!)

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(お宿1階の食堂。冷房が効いていて、Wifiもよく入り、とても快適!いただいた果物ジュースがとても美味しかったです)

超巨大な白銀の砂丘、レンソイスを目指す

さて、このバヘリーニャスというブラジルの北にある町は、レンソイスという「超広大な白い砂丘」を観光する拠点になっています。


(衛星からも見える、この白い部分が「レンソイス」。なんじゃこりゃ?という感じ)

では、さっそく行ってまいりましょう。砂丘へのツアーは、グーガおばさんに手配してもらいました。

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(まず川をわたり、トヨタの四輪駆動車で砂丘を目指します。私たちは荷台に括り付けられた椅子に座ります。なお、川を渡る時にもれなく水の中を歩くことになるので、レンソイスには靴で行かない方が無難です)

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(緑に囲まれた白い砂の道を、約1時間〜1時間30分ほど走ります。この道のデコボコぶりは半端ではなく、めちゃくちゃ揺れますが、個人的にはかなり楽しかったです)

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(乗っていた車が途中で運悪く故障したので、交代の車を待ちました)

こ、これは、、。来てみてびっくり、白銀の砂丘

レンソイス、それは、白い砂丘が果てしなく続き、砂丘の間に透明な湖がいくつもある、それはそれは不思議な空間です。正直なところ、レンソイスに来たがっていたのは妻で、私はあまり興味がありませんでした。私たちの今回のブラジルでの訪問先は南部に集中していて、レンソイスだけが北にあり、いったいここに来るだけでどれだけ飛行機代がかかるんだ、そこまでして行って砂丘があるだけって、もとがとれないんじゃないの?と、さんざん妻にブウタレ続けていました(笑)。それでも妻がここは折れなかったのでついに連れてこられたわけですが、正直なところ、これは来て良かった、言葉ではどうも表現できないが、とにかく凄い場所です。

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(砂丘の入り口。右奥に見える旗が、帰ってくる場所の目印になっています)

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(白い砂丘と透明な湖が果てしなく続く、不思議な光景です。この湖のまわりを一周するのも、砂丘を登って降りるのも、砂地を歩き回るのは本当に大変でした)

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(この美しい湖では、泳ぐこともできます。この湖は、雨季にだけ雨がたまってできるものだそうです)

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(妻と「ふたりの足跡がどこまで続く、、」みたいな写真を撮ってみたかったのですが、あまりそれっぽくなりませんでした。まあきれいな風景だから良しとしましょう)

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(砂丘がどこまでも続きます)

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(レンソイスの夕日。夕日を見納めたら、帰路につきます)

とにかく言葉では凄さを表現できないので、是非訪れてみて下さい!

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(レンソイスからバヘリーニャスへの帰り道。観光客を乗せた帰りの隊列の様子)

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(村の土産物売り場)

グーガおばさんの美味しい夕食

夜は、グーガおばさんの宿で夕食を食べました。謎の海鮮スープを頼み、またこれが美味しかった。名前は不明です。

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(この地方のものらしい謎の海鮮スープ、再び。昨晩のものよりも、ずっと美味しかったよおばちゃん!)

小型飛行機からレンソイスを一望する!

一晩があけ、今日は小型飛行機でレンソイスを空から見るというアクティビティに繰り出します。これは結構高くて、二人で約250ドル以上かかっているのですが、一生に一度のことなので、奮発してトライ。グーガおばさんがバヘリーニャスの飛行場まで私たちを送ってくれます。

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(かわいらしい飛行場のロゴ。大丈夫か?)

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(小型飛行機記録を更新。操縦士を含めて4人乗り)

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(いざ出発!左が操縦士、右は同乗した日本人観光客。最小催行人数があり、彼が行きたいと言わなかったら今回のフライトはキャンセルになっていたようです)

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(屋根が赤い、バヘリーニャスの街をまずは眼下に)

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(森の向こうにだんだんと砂丘が見えてきて、、)

上空からのレンソイスは、これまた凄い

飛行機でしばらく飛ぶと、昨晩訪れたレンソイス砂丘が見えてきます。こ、これは、何て広大なんだ、、、。昨日歩いた場所(上空からでも、車がたくさん停まって旗が立っているのでわかります)も見えるのですが、自分たちが昨日「どこまでも砂ですごいなあ」と思って立っていた場所は、この砂丘全体のほんとうにごくごく一部に過ぎないということがわかります。飛行機は値段が高く、必ず乗った方がいい!とまでは勧められませんが、お金に余裕があってレンソイスに思い入れの強い方は、乗ってみるのも良い思い出になると思います。

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(とにかく、この広大感が凄い)

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(昨日、車でひーこら行って楽しんだ2、3の砂丘は、全体のほんの一部にしかすぎないことがよくわかります)

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(ちなみに、少し離れた場所に、白い砂丘を使ったビーチリゾートもあります。これは、ちょっと行ってみたいかも、、)

市場で腕時計を買う

前日の晩、レンソイスからバヘリーニャスに四輪駆動車で戻る時のこと。どうも、この時に何かのはずみでしていた腕時計の時間を調節する部分がどこかにふっとんでしまったようで、腕時計が止まって壊れてしまいました。これから行くリオは治安が悪く、腕時計は必須(iPhoneをいちいちポケットから取り出して時計を確認していたら、盗んでくれと言っているようなもの)。なので、グーガおばさんに時計が買いたいとお願いしたところ、これまた車で市場に連れて行ってくれました。

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(市場の雰囲気)

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(バヘリーニャスの市場で腕時計を買います。なぜか商品が棒に直接巻き付けられています。売り子のおじさんから、100レアル(約50ドル)!と最初言われたのですが、それを聞いたグーガおばちゃんが猛烈な勢いで「シンクエンタ!シンクエンタ!シンクエンタ!(50レアル!50レアル!50レアル!)と連呼。結果、私はブラジル産の腕時計を50レアル(約25ドル)で買うことができました(笑)。おばちゃん、値切ってくれてありがとう。しかしこの腕時計、防水もついてちゃんと動きお得なのですが、説明書がなく、いまだに1時間ごとに鳴る小さなビープ音をどうしたら消せるのかがわからずにいます。その他の機能は適当にいじって解明したのですが。。。)

宿の近くの川沿いのレストランで癒される

さて、砂丘を歩き、空からも見て、あとは夕方に来るバスを待つだけです。宿の食堂でWifiを使わせてもらい、この先の宿をいくつか予約した後、昼食はグーガおばちゃんお勧めのレストランへ行きました。これが、川沿いで気持ちがいい上に、とても美味しかったです。

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(店の外観)

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(川にお店がせり出していて気持ちがいい)

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(お店から臨むバヘリーニャス)

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(右側の魚料理がとても美味しかった。シカゴにも出店して欲しい(笑))

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(レストランからの帰り道。午後2時前後で、死ぬほど暑いので、タクシーの運転手も日かげ仕事をさぼっていました。これだけ暑かったら、仕方がない)

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(宿の近くはこんな感じで、少しアマゾンのようです)

そんなわけで、たった一泊でしたがバヘリーニャスとレンソイスも終わり。上に書きましたが、あまり期待していなかった分、レンソイス砂丘がすごく、グーガおばちゃんも良い人で、とても記憶に残る良い滞在になりました。

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(グーガおばさん、ありがとう!)

この後は、サンルイスまでバスで戻り、そこから飛行機でリオデジャネイロに飛びます。

サンティアゴ→サンパウロ→ブラジリア→サンルイス、チリからブラジルのサンルイスへ、遥かなる道のり

(7月28日、29日)

南米移動の飛行機

チリに別れを告げ、サンティアゴからLAN航空でブラジルのサンパウロを目指します。ここで、簡単に中南米移動の飛行機をご説明します。まず、ブラジル以外の南米での飛行機の移動は南米に強いLAN航空Air Passという南米周遊券を買っています。しかしLANはブラジル国内が強くないので、ブラジルでは別の航空会社を検討しました。ブラジルはTAM航空が強く、TAM航空のブラジル周遊Air Passも検討したのですが、ブラジルにTAM航空で入らないと割引が良くなく、ブラジルににはAir Passを使えるLAN航空で入ることにしたため、これは断念。結局、ブラジル国内はTAM航空の安いエコノミーを買っていきました(そうしたら、深夜便や乗り継ぎ便が多くなり、疲れました)。LANとTAMは同じ航空会社で、LATAM AirPassというLANとTAMのネットワークを両方カバーした南米周遊券を出しています。本当は、これが使えると一番良かったのですが、私たちが航空券を買おうとしていた本当に直前にこの商品が発売され、LATAM AirPassのサイトから問い合わせをしたものの、結局要領を得た返事が得られず、結局断念した経緯があります。今なら、LATAM AirPassが買えるかもしれないので、これから旅行される方はまずこちらにトライしてみてはいかがでしょうか(でも、LATAM AirPassの代理店は適当です。「その期間はLAN AirPassもTAM AirPassも売り切れで正規価格しかありません」と言われても、それぞれの航空会社のホームページで申し込めば普通に買えるので、騙されないでください)。また、ブラジル国内ではGOL航空もTAMと勢力を二分して大きな印象を受けたので、ブラジルだけ別に買うならこちらを使ってみるのも良いかもしれません。

ポルトガル語がわからなすぎるブラジル

さて、夕方サンティアゴを出発するLAN航空に乗り込み、まずはサンパウロへ。とりあえず、サンパウロに着いた時の感想を一言で言えば、ポルトガル語がわからなすぎる」。今まで、1ヶ月間スペイン語圏の国を旅してきて培った様々な旅のスペイン語(挨拶と数字)が、まったく役に立たないではないか!ポルトガル語は、スペイン語と似ているのですがちょっと違います。「おはよう」が、スペイン語だと「ブエノディアス」、ポルトガル語だと「ボンジエ」、参考までにフランス語だと「ボンジュール」なので、ポルトガル語はスペイン語とフランス語の間のような気がします。ともかく、お店で軽食を頼むにもポルトガル語がわからず苦労しました。

サンパウロで深夜に空港を移動する

さて、サンパウロの空港に着いた時は、すでに深夜1時をまわっていたと思います。LAN航空はサンパウロの「サンパウロ国際空港」に着くのですが、翌朝にはサンパウロにある別の「コンゴーニャス空港」から、国内線で経由地のブラジリアに向かわないといけません。事前の調べでは、TAM航空が24時間サンパウロ国際空港からコンゴーニャス空港にバスを出しているはずなので、それで移動する予定だったのですが、インフォメーションのお兄さんに聞いたところ「TAM航空のバスはもう遅くて終わっているから、有料のエアポートバスに乗るべし」と。なに、話が違うじゃないか、と思いましたが仕方がないので2人で(確か)40ドルぐらい払ってエアポートバスに乗りコンゴーニャスに向かいました。しかし、こちらのバスが出発する前のこと、あ、目の前にTAM航空のバスがあるじゃないか!!!時間は深夜1時30分すぎ。もうチケットも買ってしまっていたのでエアポートバスで移動しましたが、少なくともTAM航空は午前1時30分まではコンゴーニャスへのバスをサンパウロ国際空港から出しています。ご注意下さい。

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TAM航空のバス。これに乗りたかったんだけど、、、)

ちなみに、この深夜のバスは、サンパウロ国際空港からサンパウロの市街を経由してコンゴーニャス空港に行くのですが、このサンパウロ市街の深夜の通過はコワすぎました。薄暗いオフィス街に、出歩く人は皆無、たまに浮浪者がいる空間。何でも、深夜に市街を移動するバスが強盗に襲われることもあるとか。確かに、このバスから降りたら歩いて10秒で死ねる雰囲気です。そう思っていたら、何と途中の市街の広場で降りるブラジル人がいるではありませんか!どうするのかと思ったら、彼らはバスを降りて荷物を回収し5秒後には停めてあったタクシーに乗り込んでいましたタクシーが停まっていることを知っている地元の人しか深夜に降りられない、サンパウロ恐怖のバスでした。バスは無事にコンゴーニャス空港に着き、朝まで空港ロビーで耐え、早朝の便で経由地のブラジリアに向かいます。なお、この後もサンパウロは経由のみで市街に出ていないので、昼間のサンパウロはわかりません。

ブラジリアの空港は明らかにキャパシティ不足

ブラジリアで覚えていることはふたつあります。ひとつは、荷物検査をする際に、貴重品をビニール袋に入れさせられたこと。通常の空港ではカゴに直接入れると思いますが、ここではわざわざビニール袋に入れさせられました。丁寧な対応、というよりは、空港職員が盗難するから盗難防止のためにビニール袋に入れているとしか思えません。

ふたつめは、とにかく空港が狭くて人がごった返していること。明らかにキャパシティ不足です。オリンピックに備えてかはわかりませんが、増設工事をしていましたので、早く拡張されるといいですね。あと、セキュリティゲートを経て待合ロビーに入るとほとんどお店がないので(椅子も不足の傾向)、食事などは外で済ませておいた方が良いでしょう。

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(はるか彼方に未来都市ブラジリアが見える、、が遠すぎてよくわからない)

ブラジル人は陽気なんだなあとタクシーでいきなり実感

さて、サンティアゴからサンパウロとブラジリアを経由して疲れきってサンルイスに到着です。サンルイスで空港からホテルまでタクシーに乗って、いきなりブラジル人はやっぱり陽気なんだなあと実感しました。タクシーの運転手が、運転しながら陽気に歌を歌いまくるからです。しかも、サンバを大音量で流す謎のトラックも横を走って行きました(日本で言うと、音楽を流しながら走る宣伝トラックみたいなもの?)。ペルー、ボリビア、チリ、南米のどの国でも、こんなに陽気なタクシーの運転手は会ったことがありません。さすが、情熱の国ブラジルです。

世界遺産サンルイスをそぞろ歩き

サンルイスは、ブラジルで唯一フランス人によって築かれた街ということで、旧市街は1997年に世界遺産に登録されています。ホテルに荷物を置いた後、少し街を歩き回ってみます。

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(サンルイスの夕べ)

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(タイルが綺麗な街並)

この時、妻が疲れで体調が優れなかったこともあり、それほど気合を入れて街を見ていません。ですが、世界遺産のわりには、街の楽しさランク的にはまあまあという感じでしょうか(バルパライソよりは良いと思う)。私見ですが、世界遺産は登録年に着目することが大事な気がします。南米の傾向で言うと、初期に登録された世界遺産マチュピチュガラパゴス諸島など)は実際に行ってみて「おお!」と思いました。一方で、最近になって登録されたものは、行ってみて「、、、?」と思うことが多かったような気がします。いろいろとその土地の歴史などを学ぶと、また見方は変わるのかもしれませんが。

夕食は海鮮スープで

夜は、ホテルの近くで歩き方に載っていたDon Franciscoというお店に行きます。ここは、味はまあまあだったかな。ちょっと独特の酸味が強くて、酸が苦手な私とは相性がやや悪かったです。美味しかったですけどね。

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(暗いけど、ちゃんとやってます)

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(サンルイスと次に行くバヘリーニャスでよく食べた謎の海鮮スープ。具沢山で、クリーミーで美味しい)

サンルイスの宿

サンルイスでは、旧市街の真ん中にあるPousada Portas da Amazoniaに泊まりました。歩き方には「1839年に建てられたコロニアルな家屋を、モダンに改装している」と書いてありますが、確かに古い建物を上手にリフォームしてホテルにしており、ボロさもありつつ雰囲気が良いです。水回りなどはしっかりしていて、ホットシャワーも完備で清潔で素晴らしい。翌日、バヘリーニャスに行くバスを受付で手配もしてもらえました。朝食も果物たくさんで美味しく、なかなか良い宿だったと思います。

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(この看板は、アマゾニアを表しているのだろうか、、)

明日は、バヘリーニャスへ移動し、レンソイスという謎の砂丘に挑みます。

サンティアゴ(2)〜最高のチリワイン、?な世界遺産バルパライソ、サーモンが美味しい金太郎

(7月27日、28日)

チリのワイナリーとバルパライソ

シカゴで飛行機のチケットをとる前は、この日にはブラジルに向かおうと思っていたのですが、結局私たちが使っているLan AirPassではこの日はブラジル行きのチケットがうまく確保できなかったので、サンティアゴにもう一泊します。何もしないのももったいないので、検討の末、サンティアゴ郊外にあるワイナリー、リゾートとして有名なビニャデルマル、世界遺産のバルパライソを巡るツアーにTouristikで申し込みました(サンティアゴの旧市街で赤い服を来た人々が営業をしており、対応も非常にしっかりしていました)。お値段はひとり100ドル以上で、高い!しかし、ワイナリー巡りとバルパライソ行きを一日にまとめてこなそうとすると選択肢が少なく、いくつかあるツアーの中でも最も内容が充実していそうな(詰め込み気味の)ものを選ぶとこれになりました。結論としては、残念ながら世界遺産のバルパライソが期待はずれでツアーにお値打ち感はなし。でも、ワイナリーで飲むチリワインは抜群に美味しいので、サンティアゴの郊外アクティビティとしてはワイナリー巡りを強くプッシュしたいと思います。

Emilianaの有機ワインが抜群に美味しい

ツアー最初の訪問先は、サンティアゴ郊外にあるワイナリーEmiliana(エミリアーナ)。このワイナリーはチリにおいて(南米において?)有機農法で農薬を一切に使わずにブドウを育てワインを作るパイオニアということで、そのワインは様々な賞に輝いているとか。

有機農法、オーガニックという名前自体はもちろん聞いたことがありますが、私はこのワイナリーを訪れるまで恥ずかしながらそれがどういう意味でどのように有機の野菜や果物が作られているのか、全く知りませんでした。ワイナリーでの説明は結構感動的でした。農薬を使わないと、虫に食われたり病気にかかったりしてブドウはダメになりやすい。それを避けて、ベストのブドウを作り出すためにどうするか。それは、自然の摂理をできる限り理解して、自然の摂理に従ってブドウを育てることだと言います。例えば、農場にはブドウ以外にも様々な草花が植えられていますが、すべての草花には農場に存在する意味があるそうです。各季節において、ブドウの害虫がブドウ以外の草花に行くように、虫にとってエサになったり虫をおびき寄せる草花が植えられているのだとか。さらに、農場では雑草を取り除くために鶏!を使っているそうで。それも一種類ではなく、ある一定の場所を歩き回る習性のある鶏、広い範囲を移動する鶏など、様々な習性を持つ鶏を組み合わせて使って雑草を取り除くのだそうです。ブドウの芽を食べてしまわない鶏を使うことも大事だとか。そしてさらに驚いたのは、なんと草花は月の満ち欠けに応じて呼吸が変わるので、ブドウにやる水も月の満ち欠けに合わせて調整するのだそうです。ええ、そんなこともするのか!

ワイナリーのお姉様曰く、有機農法は、それを行う土地、季節、生態などいろいろなことを知らなければできず、それらの複雑な自然の営みを理解した上で、いろいろな草花を植えたり、鶏など動物を管理する必要があり、はじめはとても手間ひまがかかるそうです。でも、一度軌道に乗れば、後は農薬に頼らずに自然が美味しいブドウを生み出してくれるようになるので、むしろとても利益率は高いということ。面白いですね。でも、自然の法則に則っているが故に、ある場所でうまくいったから他でも同じうまくできるとは限らないのが有機農法の難しいところで、逆にこのコピーの難しさは競争力につながるのだそうです。ビジネススクールの戦略の教科書のようなご説明でした。

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(チリにおける有機ワインのパイオニア、Emiliana)

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(冬なので寂しい風景ですが、ワイナリーの方が丁寧に英語で有機農法でブドウを育てる際のコツや大変さを説明してくれます)

さて、お姉様の説明で有機農法に感心した後に、実際にワインをいただきます。4種類のワインを、軽いものから重いものまで順番に飲み比べていきますが、これが抜群に美味しい。いや、美味しい!!!!長旅で荷物を多く持てないにも関わらず、お土産にワインの購入を検討しましたが、スマートフォンで調べたところワイナリーでの購入に比べて多少のコストアップ程度でわりと良心的な値段で日本でも商品が買えることがわかったので、お土産に買うのはやめました。この素敵なEmilianaには、日本に帰った後ワインを買って飲むことで貢献させていただきたいと思います。いやー、しかし、うまかった。

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(4種類のワインを飲み比べ。とても美味で、4杯とも完飲)

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(飲み比べたワインたち左から右に行くにしたがってフルボディに。個人的には、左から二番目のNovasと、最後のCoyamが特に美味しかった!日本でも調べると売っているので、日本に帰ったら必ずまた飲みたいと思います)

チリのリゾート、ビニャデルマルでガッカリその1

酔っぱらった乗客たちを乗せ、バスはチリのビーチリゾートビニャデルマルへ。ここは、チリで一番人気のリゾートなのだそうですが、この旅行でカンクンやキューバなどカリブ海を見てきた私には大したことがないように見えました。。。一応公平のために申し上げると、いまは冬なのでビニャデルマルは閑散としています。ここはサンティアゴに住む人の別荘も多いのだそうですが、その多くは冬なので誰もおらず町は寂しげです。ですので、夏に来たらまた違う印象を持つかもしれませんが、少なくとも冬に来ても良いことは特にありません

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(ビニャデルマルの有名な花の時計。警官がバスが5分以上停車しないように常に見張る人気ぶり。しかし、そこまでのものか!!??)

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(海に喜ぶ観光客たち。すでに私たちはこれまでの旅行で海も川も堪能してきたので、それほど盛り上がれず残念。あと、ツアーで連れて行かれたEnjoy del Marというレストランが、値段はそこそこするわりに最悪に食事がまずくガッカリ)

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(ビニャデルマルには、イースター島から運ばれたモアイ島が一つだけあります。イースター島はパスしているので、ここでモアイ像をパチリと写真におさめて満足)

世界遺産バルパライソで、ガッカリその2

続いて、バスは世界遺産バルパライソへ。ここでひとつ想定外だったのは、ツアーバスが、途中で立ち寄った パブロ・ネルーダの邸宅という場所以外、一度も停車しなかったことです。おいおい、歴史的な町並みが世界遺産に登録されたのに、町を歩かせてくれないんじゃ良さがわからないじゃない。時間の制約なのか、治安の問題なのか(バルパライソは治安があまり良くないらしい)わかりませんが、そんなわけでバルパライソの魅力はよくわかりませんでした。

ただ、バスから降りて町を歩けたら魅力を感じられたかというとそれもやや微妙かもしれません。Wikipediaの説明によると、「迷路のように入り組んだ歴史のある美しい街並が2003年に、UNESCOの世界遺産に『バルパライソの海港都市とその歴史的な町並み』として登録された。」ということなのですが、街をバスで走り回った感想としては、そんなに素敵な歴史的な街並かしら?という感じ。これまた公平のために申し上げると、夏に強い光を受けたバルパライソの街は、カラフルな街並に光が良く映えてそれは美しいそうです。ですので、ここも冬に来る場所ではないのかもしれません。

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(街は少しガラの悪い雰囲気)

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(歴史的な建物らしいのですが、何だっけ?)

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(この街並が、強い太陽の光を浴びると美しいのだとか。冬はいまいち)

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(急斜面に作られた電車?も有名ですが、ツアーでは乗せてもらえませんでした。今はもっぱら観光用とのこと)

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パブロ・ネルーダの邸宅。チリの有名な作家の風変わりで凝った邸宅です。面白いですが、その作家や建築に興味がなければわざわざ来るほどではないかも)

サンティアゴの金太郎で、とても美味しいサーモンを食べる

サンティアゴに戻り、夜は歩き方に載っている金太郎という日本食屋に行きました。ここのサーモンは抜群に美味しいです。よく考えてみると、日本でもシカゴでもチリ産のサーモンを食べることはよくあります。その陸揚げ国に来ているわけですから、美味しくないはずがない。サンティアゴで刺身が食べたくなったら、是非金太郎に行って下さい。日によってお勧めが違うのですが、日本人の定員さんに聞くと丁寧に教えてもらえます。

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(金太郎の寿司と刺身。サーモンが美味しい!この日は白身魚も新鮮でお勧めされ、これまた美味しかったです)

サンティアゴのスーパー

金太郎の帰りは、旧市街にある大きなスーパーに寄り道。品揃えが豊富、すべての商品が綺麗にパックされている、整然とした陳列、すべてにおいてここは先進国のスーパーです。洗濯のしすぎで手がボロボロになっていたので、ここで掃除用のビニール手袋を購入しました。

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(とても先進的なサンティアゴのスーパー。チリは紛れもない先進国です)

El Aji Secoにて美味しいペルー料理を食す

昨晩金太郎に行った時、店員のお兄さんに聞きました。「明日日曜日のお昼、旧市街でランチにお勧めのところはありませんか?中央市場で海鮮は食べました。チリ料理で日曜日もやっているお店があれば、美味しいところに行きたいのですが」「うーん、チリは料理があんまり美味しくないんですよ。」(えー、お兄さん衝撃の発言!)「(ペルーに旅行した際に)ペルー料理は食べました?」「クスコなど山の方で美味しいものはいくつか食べましたが、いわゆる伝統的なペルー料理は食べていません」「それなら、美味しいペルー料理のお店がありますよ」

というわけで、やってきましたペルー料理のお店El Aji Seco。日曜日にやっているというだけでも素晴らしいのに、さらに金太郎のお兄さんお勧めの美味しいお店と聞けば、期待に胸が膨らまずにはいられません。実際、とても美味しい!チリで美味しいペルー料理が味わえるとは思いませんでした。とても満足です。

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(店構え)

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(ペルー風?炒め飯。少し味が濃いですが、美味しくてガツガツ行けます)

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(ペルーでよく食べたスープ。もちろん美味しいです)

旧市街散策

最後に旧市街をもう少しだけ散歩して、空港行きのタクシーに乗ります。チリは短い滞在でしたが、ボリビア滞在の疲れをとれる癒しの先進国でした。

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(サンティアゴの中心を歩く)

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(立派な建物。あいにく、勉強不足で何なのかは知りません。朝から無料でサンティアゴの旧市街を案内してくれる英語のツアーがあるのですが、今後の旅行の予定を確認したりホテルの予約をしたりしていたら、参加し損ねてしまいました。残念。きちんと事前に勉強して臨めば、サンティアゴの旧市街では、銃弾の跡など、ピノチェトの軍事政権からその後の民政に至るチリの歴史も見ることができるはずです)

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(乗っていませんが、地下鉄の駅。見るからに大変綺麗です。地下鉄の駅構内には、お店も多く出ていました)

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(ホテルの横にある、サンタルチアの丘)

外貨を稼ぐことができなければ先進国にはなれない

キューバ編の「競争力がなく外貨を稼げない国は貧しい」という項目ですでに触れましたが、チリでは外貨を稼げることが先進国の条件であることを強く認識しました。チリには、鉱業、製紙業、漁業、ワイン、果物・野菜という5つの重要な産業があり、どれも外貨を稼いでいます。国の発展理論に、中進国の罠というものがあります。世銀は一人当たりGDP約10,000~12,000ドルをいわゆる「中進国」として定義しているそうですが、この段階までの発展を成し遂げた国はそれなりにあるものの、この壁を破って先進国に近づいていけた国は非常に少ないという問題です。チリの一人当たりGDPは15,363ドル(外務省)で中進国の罠を破りつつあり、南米初のOECD加盟国として南米で最も先進国に近い国です。そのチリの原動力になっているのは、まさに外貨を稼ぐこれらの産業なんだなと強く感じました。

チリが先進国になるために必要なことは何か〜中進国から脱しつつあるチリから学べること

しかし、中進国が先進国に追いつき逆転するには、何が必要なのでしょうか。中進国の罠は、後から、産業と技術の発達した先進国に追いつくのは、非常に困難という単純な含意を持っていると思います。先進国が先進国たる所以は、アメリカは基軸通貨ドルとiPhoneで金を稼ぎ、日本は自動車と機械で金を稼ぎと、世界的に需要の大きな分野で政治的、経済的、技術的、文化的にカネにつながる何らかの優位を持っていることによるものです。後から追いつく国がiPhoneと同等に戦える会社を持つことは極めて難しく、それに挑戦しているのは韓国のサムスンや台湾のHTCなど極めて限られた国の企業に限られ、それも難しい戦いを強いられています。経済がグローバル化すると競争をより厳しくなり既存のマーケットでの先進国企業の先行者利益は大きくなるでしょうから、途上国の後発企業がこれと戦って勝つのは至難の技でしょう。しかし、現代においてグローバル化が受け入れられているのは、(少なくともこれまでのところは)厳しさを増す競争による負担以上にグローバル化によって経済のパイが大きくなることによる恩恵が大きかったということをおそらく示しているのでしょう(チリは、多くの国と自由貿易協定を結び、経済発展に結ぶ付けています)。また、過去永遠に続いた帝国はなく、100年続く企業はほとんどない事実が示しているように、先行者が永遠に先行し続けることはありません。しかしそうは言っても後ろから追いかける者が先行者を逆転をするのは簡単ではなく、先行者が何らかの理由で弱り、追うものが厳しい環境の中でも知恵を絞って工夫をして何とかひっくり返す一手を出す必要があります。そう考えるのであれば、逆説的ですが、厳しくても競争的な環境に身をさらすことが、中長期的には先を行くものに追いつき追い越す機会を増やすとも言えるのかもしれません。

チリは一人当たりGDPが15,000ドルですが、私は実際にチリを訪れて、南米の中では明らかに他国より進んでいてこれだけ産業基盤がしっかりしているチリですら一人当たりGDPが15,000ドル「しか」ないのか、と感じました。私たちが住む先進国になるハードルは世界的には極めて高いのです(逆に言えば、日本は他国がうらやむ多くのものを明らかに持っている国なのです)。チリがさらに所得を増やしていくには、どのような道があるのでしょうか。以前読んだ日経ビジネスの記事ではチリコンバレーというものもありました。チリが、自由貿易協定で拡充した自らの経済圏を使い、鉱業、製紙業、ワイン、漁業、農業という既存の産業基盤の上にさらに何を乗せていくのか、今後も興味深く見て行きたいと思います。この国を見ることで、途上国を見るのとはまた違う、先進国に近づきつつある国の課題や問題を学ぶことができると思います。

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(私がサンティアゴでチリが先進国だなと一番感じたのは、この道路の電光掲示板の存在です。電光掲示板は、設置に費用もかかるし、表示する内容を送るシステムも必要だし、電気などの維持コストもかかり、明らかに発展途上国ではペイしないアイテムです)

さて、今晩は飛行機でブラジルのサンパウロへ。サンパウロを経由し、ブラジル北部の町サンルイスを目指します。チャオ、チリ!

サンティアゴ(1)〜南米随一の先進国チリの首都でウニを食らう

(7月26日)

ブログを書く流れがそがれ、書ききれない危機を感じます。いかん、一日でも進めねば。

この日は、カラマからサンティアゴに飛行機で移動します。面白いこともないので、いきなりサンティアゴに。

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(カラマの空港にて。大好きなLAN航空です)

サンティアゴの空港から旧市街までは、タクシーで30ドル前後かかった記憶があります。チリは、中南米の中ではかなり物価が高い先進国です。

サンティアゴの宿

いきなりですがサンティアゴではHotel Rivieraに宿泊しました。ダブルで一泊約70ドル。部屋は綺麗でバスルームも綺麗、Wifiが部屋でもしっかりと入ります。また、旧市街に近く、観光にも便利です。大都市サンティアゴの中心にあるので部屋はとても狭いですが、東京のホテルだと思えば、特に違和感ありません。

このホテルの良いところは、スタッフの皆様がとても家庭的で親切なところです。なぜか年配の方が多く、フロントのおじさまとおばさま、料理を作って下さるおばさま、という雰囲気なのですが、みなさんとても優しくて、あったかくて家庭的ということはそれだけですごく旅行者を癒すのだなあと実感します。料理担当のおばさまは英語が上手で、ミートソーススパゲティを食べている私たちにいろいろと話しかけてくれました。とてもお勧めの宿です。

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(Hotel Rivieraの客室)

中央市場でウニを食べる

サンティアゴに来た旅行者は、みな市場でウニを山盛りで食べるそうです。というわけで、市場のレストランで食べた料理はこちら。久しぶりの海鮮で美味しいですが、カンクンで食べた海鮮の方が美味しかったかな?ウユニで会ったチリへの日本人留学生が「チリの人は日常では魚を食べません」と言っていたのが気になるところです。

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(ウニの山盛り)

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(具沢山の海鮮スープ)

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(魚山盛りの市場。この風景に心癒される自分は、魚大好き日本人なんだなあと実感させられます)

サンティアゴの夕焼け

市場で魚を食べた後は、翌日のツアーを手配し、ぶらぶらと町を歩きます。サンティアゴは、本当に都会で先進国です。ペルーやボリビアとは違ってサンティアゴの町は「先進国の都市=自分が日本やアメリカで馴染みがある環境」という意味で、妙な安心感があります。自分は都会っ子なんだなと再確認する瞬間です。ホテルの隣にある観光名所の丘から、はるかにアンデスの山々を一望します。この日の夜は、ホテルでとても家庭的なミートソーススパゲティを食べました。ずっと外食続きなので、そんなものもたまには食べたくなります。料理してくれたおばちゃん、ありがとう。

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(サンティアゴは建物が綺麗)

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(旧市街のショッピングモール。けっこう綺麗)

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(丘からアンデスの山々を臨む。なお、冬は大気が澄んでいるので山が見えるが、夏は空気がよどんで見えないらしい)

明日は、チリのワイナリーでチリワインを飲んだ後、ビニャデルマルとバルパライソという世界遺産の町に観光に行きます。

番外編:最貧国ボリビアの首都ラパスで、ひとりで勝手に日本企業の未来を憂う

今回は番外編として、記憶にとどめておきたいエピソードをひとつ。

ラパスでNHKを見る

ラパスで宿泊したHotel Sagarnagaでは、何とNHKを見ることができました。シカゴでもNHKを見ることはできないので、私たちがNHKをじっくり見るのは渡米以来約1年ぶりです。渡米以来1年ぶりに見るNHKが、南米の最貧国ボリビアの危険な首都ラパスでというのも不思議な話です。この時は、日本では衆議院選挙の当日で、なんと私は選挙速報をライブで見ることができました。驚きです。

たまたま見たNHKのニュースに違和感を感じまくる

さて、ここでたまたま続けて見たNHKのふたつのニュースが、私はとても印象に残りました。

ニュースその1:近年、日本では家庭用の美顔商品(女性が顔にマッサージをする商品など)が人気で、電機メーカー各社は新商品を投入。201x年には、市場は130億円(ぐらい)に拡大する見込みで、今後はインドネシアなどにも進出予定。

ニュースその2:神奈川県のどこかの川で、川のイベントを開催。子供達に、川が昔は重要な経済、交通の手段だったことを紹介。

まず、1つ目のニュースを見て思いました。130億円は小さな金額ではない。でも、何兆円も売り上げのある電機メーカーが、人を張ってやる仕事じゃないでしょ。というか、そんなところに人を配置するぐらいなら、南米にテレビと洗濯機を売りにこいと。南米の空港では、サムスンの液晶テレビが9割、LG電子が1割。クーラーはLG電子がわりと多い印象で、どこの国でも洗濯機はたくさんあります。なんで日本の電機メーカーはこんな巨大な市場にテレビも洗濯機も売りにこないのだ!百歩譲って液晶テレビは戦略ミスでコスト競争に負けたという話でも仕方がない(注:私はアメリカではサムスンの液晶テレビを使っていますし、南米でもサムスンのテレビを多く見ましたが、サムスンの液晶テレビに品質の問題は全くなく、日本の電機メーカーは単純に戦略ミスでコスト競争に敗れたのは明白です。アメリカではサムスンのブランドは強いです)。洗濯機はまだまだ競争できるところなのに、なぜ売れる商品を作って南米のボリュームゾーンに売りにこないのだ。テレビも洗濯機も、三種の神器と言われるのは伊達ではなく、所得水準が一定に達したら世界中どこでも需要が必ずある商品なのに。と、内弁慶な日本企業の姿勢にひとりで腹を立てていました。

さて、1つ目のニュースにひとりで怒り心頭した後、2つ目のニュースです。こちらで思ったのは、私はアマゾンで、交通に、漁業に、洗濯に、トイレに、人々が川を使っているのを見ました。世界にはそういうところはまだまだたくさんあるわけで、イベントも良いけれど、そういう場所に実際に訪れれば、川の重要性はすぐに学べるしインパクトも強いのにな、と。アマゾンに子供を3人連れて旅行に来ているフランス人一家がいました。子供達に、アマゾンを経験させたいのだとか。ううん、ちょっとチャレンジングな選択だけど、子供にとっては絶対に一生忘れられない経験になるでしょう。さすがに日本からアマゾンは遠いけど、アジアぐらいなら行けるはず。もっと外を見に行ったらいいのにな。

エピソードとしてはこれだけなんですが、ボリビアで、NHKを見て、一人で勝手に憤慨する日本人の私、とても滑稽だったに違いありません。でも、この旅行で学んだことの大事な部分を象徴するエピソードだと自分では思っています。言葉の問題は一部に過ぎません。マインドとして、もっと日本は外に出て行かないといけないと思います。いつか、日本の洗濯機が、世界中で見られると良いですね。

余談ですが、日本車ではトヨタが南米でも奮闘しています。特に僻地でのトヨタランドクルーザー比率は圧倒的です。壊れたら困るから、そうなるんでしょうね。でも、バスは中国製かメルセデスベンツです。日本車メーカーは、もっとバスを南米で売ったらいいんじゃないかな?

ちなみに、中南米でも(といっても中南米に旅行する人々の間で、ですが)日本製が席巻している唯一のアイテムは、デジタルカメラです。旅行者が持つデジカメの95%は、Canon、NikonOlympus、Panasonicといった日本製で、サムスンのデジカメは2ヶ月で1度しか見たことがありません。がんばれ、日本のデジカメ。

ボリビアを出国しチリへ〜ウユニからカラマへ大変なバスの旅

(7月25日)

ボリビア出国の日

今日は、ウユニからチリのカラマへバスで移動します。

ボリビアでは、主にラパスとウユニに滞在しました。ボリビアは他国に比べて産業の成熟度が低くて一般的なサービスの質が低く、常にどこかあきらめと警戒を抱かないといけない国でした。また、これは印象論にすぎませんが、他の南米諸国と比べて外国人に対するホスピタリティが少し低い国のような気がします。なんだろう、あくまでも私たちとあなたたち外国人は別の存在で、外国人はお金をとる対象というか。いや、ホスピタリティが低いというというよりは、全体として明るさが足りないと言うべきか。これは、山の民族の民族性なのか、所得水準の低さから来る余裕のなさなのか、そのあたりはわかりませんが、全体としてペルー、チリ、ブラジル、エクアドルといった国々と比べて暗い印象を受けたのは確かです。そして、(これは何よりも重要かもしれませんが)ラパスもウユニも3000m級の高山にあり、冬はとにかく寒い!そんなわけで、チリへ出国する時には「ああ、これでボリビアから脱出できる」とちょっと思ってしまいました。

しかしもちろん、ボリビアでも明るくて良い人々にも多く会いました。ウユニを案内してくれたドライバーのおじさんたちや、町外れにあるホテルで対応をしてくれたあどけない少女、ラパスのお祭りで楽しそうに遊んでいた人々を忘れることはないでしょう。ラパスは危ないながらも不思議な魅力のある町でしたし(町の魅力という意味では、ペルーのリマより味があると思います)、ウユニも愛のないエントリを書きはしましたが行って良かったと思います。

余談ですが、(バックパッカーが現地の安レストランに入っていくということではなく)外国人観光客と現地の人がどれぐらい「普通に」一緒に食事をとるかは、国によってかなり差があります。メキシコ、チリ、ブラジルでは、外国人観光客とガイドは同じ場所で食事をします。ペルーは場所によるという感じで、ボリビアでは外国人観光客と普通の人々が食事をする場所は明らかに別です(ボリビアで日本人が「美味しい!」と素直に感じられるグレードの高いお店は、ボリビアでは富裕層しか行けません)。そして、キューバでは外国人観光客が食べるレストランで現地の庶民が食事をすることは基本的に不可能です。このあたりには、見事にその国の経済水準が現れているように思います。

まとめとしては、ボリビアはすごく楽しかったけれども、もう一度行きたいかと言われたらまあいいかなという感じです。あと、ボリビアは海への出口がなく貧しくて気の毒に思えてならないので、ウユニのリチウム開発がうまくいって少しでも国が豊かになれば良いなと思います。

安宿Salbadorは勘弁して欲しいクオリティ

さて、改めてチリのカラマへの道。この日は、大した出来事はなかったのですが、ある意味旅行の中でも指折りの記憶に残る日になりました。

まず、前日から泊まった宿についてご説明しなければなりません。この日のカラマ行きのバスは、午前4時に出発します。私たちは私たちがウユニで初日に泊まった宿は町外れで、深夜早朝に重い荷物を持ってバスターミナルまで歩くのは少し危ないです。そこで、Hodakaのおばちゃんから勧められた、El Salvadorというバスターミナルの目の前にある安宿に泊まりました。バストイレ付の部屋で、一泊わずか10ドル。

Hospedaje El Salvador

しかし、この宿はおじさんには無理だった!まず、寒い!冬のウユニは夜になるとかなり冷えるのですが、この宿の客室には暖房がまったくありません。そして、バスルームがカビすぎていて、しかも水シャワーのみ。カビだらけのバスルームには前の客が洗濯で干したとおぼしき男物のパンツがかかったままになっており、何とも言えない雰囲気です。宿泊者名簿を見ると、20歳前後の欧米の若者ばかりが宿泊しています。30歳を過ぎておっさんには、この宿は無理だ!

というわけで、シャワーは浴びず、服もジャンパーも着たまま、朝3時頃まで仮眠をとります。寒すぎて、あまりよく眠れず。。この宿は夏なら良いかもしれませんが(それでもカビくさいとは思うけど)、冬は無理です。

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(安宿、サルバドール。入り口の見た目はしっかりしっているが、中はおじさんには無理な世界だった)

午前4時、バスはカラマを目指して出発

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(まだ眠りにつく前、夜のバスターミナルの雰囲気。ちなみに、ホステルの待合所でバスを待っていたら、宿主のおっさんにコカコーラのペットボトルに入ったsake(日本酒)を飲むように勧められました。寝不足で体調が悪く断りましたけど、いろいろな意味であれを飲んだら気分が悪くなっていたの違いない)

さて、凍てつく部屋を出て、大して暖かくない宿の待合所でしばらく待つと、カラマ行きのバスがやってきました。乗客がわさわさと乗り込み、午前4時にバスは出発。前日、ウユニ塩湖のツアーにともに参加した中国系アメリカ人も一緒です。彼は、長身でハンサムなフロリダ出身の若者で、仮に彼の名前をフロリダ君としましょう。フロリダ君とは、カラマまで一緒に行きます。彼はスペイン語ができるので、いろいろと助けてもらいました。

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(バスのチケットはこんな感じ。読みにくい字でHodakaと書いてある)

このバスがカオスでした。ボロい大型のバスに、旅行客(主に欧米人)とインディへナのおばちゃんなど現地の人々を半々の比率で詰め込みます。着席だけでなく、バス中央の通路にも乗客がギュウギュウに立ちで入るので、詰め込みです。私は通路側の席に座りましたが、横にインディへナのおばちゃんの荷物があって、動きがとれなかったです。そして、バスが超寒い。暖房がなく、サルバドールよりもさらに寒い。乗客が吐く息が窓一面に結露して、それがすべて凍り付き、氷で外が全く見えない、そんなバスです。そして、このバスはチリとの国境まで休憩なしで走ります。厳密に言うと、途中でいくつかの町で止まって乗客が乗り降りしているのですが、止まっている間も通路には人がギュウギュウに乗っているので外に行くことはできず、トイレに行きたくてもどうしようもありません。トイレが近い私としては、とにかく足の先が凍傷になるんじゃないかと思いながらも、少しでも寝て身体活動を抑えるだけです。

午前8時、チリとの国境に早くも到達する、、が!

バスはだんだんと明るくなる中、チリとの国境に近づきます。日が昇ると、日光で少しずつ窓の氷が溶けていき、外が見えるようになっていきます。ああ、太陽の力ってすごい、温かい、、と心底感じました。この深夜の極寒バスには、二度と乗りたくないです。フロリダ君は飛行機中心の私たちと違って南米でバスにもかなり乗っていたようですが、彼もこのバスは南米で乗ったどのバスよりも最低と言っていました。

さて、午前8時にチリとの国境に到着。なんだ、結構早いじゃん!しかし、ここには何もありません。

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(ウユニ=カラマルート、国境のボリビア側)

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(入管に関係すると思われる建物が、ちらほら建っているぐらいで、基本的に何もない)

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(こちらがボリビア側の出国審査をする場所)

ここには何もなく、トイレもありません。バスの到着後、数分で出国審査が始まります。妻のパスポートを確認している時に、ボリビアの審査官が入国のスタンプを見つけられず、携帯していた入国カードの情報に基づいて入国スタンプをもう一度押し直してしまうというハプニングがありましたが、私たちの審査も無事に終了。「入国スタンプ漏れは○○ドルの罰金だぞ」と言われたような気もするのですが、何を言っているかよくわからないフリをして無視してさっさと部屋を出ました。実際には、審査官が見つけられなかっただけで入国スタンプは入国時にちゃんと押されていたので、妻のパスポートにはボリビアの入国スタンプが二つと出国スタンプが一つあり、不揃いな状態です。でも、ボリビアには二度と行かないからいいんじゃないかと思います。

で、問題はここからです。8時30分には全員の手続きが終わりましたが、バスが出発する気配はゼロ。みな、近所の村の人が出している屋台で、朝ご飯とか食べてます。いったいいつ出るのやらと思いながら、日光で体を少しでも温めて待つこと1時間30分、午前10時ごろにやっとバスが出発です。ボリビア側国境にて、時間のロス2時間。

午前10時、バスは国境に向けて1km前進するも、そこで2時間の待ちぼうけ

バスは2分で国境に到着。今度はここで、人も荷物も降ろされ、チリから迎えのバスが来るのを待ちます。待つのは、文字通り何もない場所。本当に、なーんにもありません。ここで、ただひたすら、2時間待ちます。

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(何もないところで放り出されるバスの乗客)

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(とにかく、ひたすら待つ。バスの運転手は、地面に大の字になって寝てた)

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(旅行記の「はじめに」に使った国境の写真)

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(最果ての地です、っていう感じがすごい)

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(そびえ立つ山々の姿はすごいが、やることがない)

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(右にあるのは、お墓なのか)

この国境には、なぜか石で作られたサッカーコートのようなものがあります。待ちぼうけする人々が遊ぶためのものなのか。そして、サッカーコートの奥に使われていない倉庫のようなものがあるのですが、その裏にはひからびた人糞がたくさん転がっています。そうだよね、トイレもないからどうしようもなくなったらこの物陰で何とかするしかないよね。

暇で暇で仕方がないので、フロリダ君と世間話をして過ごします。フロリダ君は、大学卒業後に働いた後、この秋からメディカルスクールに入学を予定しており、将来は医者になりたいということ。アメリカでは、社会人として少し働いた後に大学院でキャリアをリセットするというのはとてもよくあることです、とたまにはタイトルの「キャリアの未来を考える」に関係することも書いてみます。その他、このバスに乗っているボリビア人は何なんだろう→ボリビアからチリに出稼ぎしている労働者や家族ではないか、とか、キューバで聞いたフロリダ資本家の話とか、旅のよもやま話をしてとにかく時間を潰します。

正午、バスがチリ側の入国施設まで1km前進するも、また待ちぼうけ

さてお昼も近くなった頃、やっとチリ側から迎えのバスが来て、バスはチリ側の入国手続き所まで前進します。やった!で、そこで入国書類が配られた後、またしばらく待ちぼうけです。どうも、一台前のバスの乗客をさばくのに時間がかかっている模様。

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(チリ側の入管施設。トイレもあります!)

午後1時、やっと入管と税関手続きが始まる

午後1時前、やっと入管と税関の手続きが始まります。チリは税関審査が厳しく、ほとんどの人がバッグを開けて中身を確認されています。

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(入管手続きに並ぶ人々。チリに入った途端に、建物が少し綺麗になります。ボリビアは南米一の貧しい国ですが、チリは南米随一の先進国なのです)

午後2時をまわったところで、ついに移動を再開

午後2時を過ぎたところで、バスの乗客全員の入国手続きが終わり、バスが再出発。朝8時にボリビア側の国境に着いてから、6時間をこの何もない国境地帯で過ごしました。フロリダ君も、このひどい仕打ちには憤っていました。

しかし、なぜこんなにオペレーションがひどいのか、理由はよくわかりません。ボリビアの入管やチリの入管の時間がボトルネックになっているのかとか考えてみたのですが、一応彼らは昼間はオペレーションしているようでしたし。ただ、こっちは朝8時には着いているのに、チリ側の迎えのバスが12時にならないと来ないというのが酷すぎる。だったらボリビア側も昼頃に国境に着けば十分だと思うんですが、どういうことなんでしょうか。ただ一つ、チリ側がボリビアをなめていることだけは間違いありません。そうでなければ、チリのバス会社も、チリの税関も、もうちょっとボリビアから来る人をスムーズに迎えようと努力するでしょう。さすが、正式な国交がないだけのことがあります。

余談ですが、チリとボリビア、ペルーは太平洋戦争を戦い、これに勝ったチリと、敗れたボリビア、ペルーは、今でも政治レベルでは仲が良くないそうです。アメリカとキューバもそうですが、利害関係のある近い国というのは世界のどこに行っても(少なくとも政治レベルでは)結構仲が悪いんだなと感じました。まあ、そういうものなんですかね。

もうひとつこの経験からは、これだけ時間のロスをしてもこのバスに乗っている人はクリティカルに痛くはないと言えます。旅行者はともかく、何らかの用事で乗っている現地の人が移動にこれだけ無駄があっても耐えているのは、時間対コストという意味でやっぱりボリビアは人の値段が安いということでしょう。もう少し自分の値段が高ければジープなりに個別に乗って無駄な時間を減らそうと思うでしょうしね。

さて、バスはカラマの町を目指して出発です。チリに入っても殺風景な風景が続きますが、ここは大銅山がある地域。チリ経済の屋台骨を支える、非常に重要な鉱山地帯です。

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(さびれた町を通り)

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(ただひたすらに)

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(赤茶けた山々が続く)

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(しかし、ここは大鉱業地帯です)

午後5時すぎにバスはカラマに到着、お疲れさまでした

午前4時にスタートしたバスの旅も、やっとカラマで終焉を迎えます。つ、疲れた。この日は宿がとれておらず、元気があれば少し探そうかと思っていたのですが、あまりに疲労困憊で探す気力がわかず。事前に手頃な値段の宿にメールで連絡をしてみたもののどこもいっぱいだったこともあり、歩き方に「外観はさほど豪華に見えないが、館内設備、サービス面でカラマ屈指のホテル」と紹介されていた値段の高いLican Antaiに宿をとることにしました。ツインルームが一泊90ドルぐらい。しかしこの宿、料金が高いわりには、Wifiが部屋で入らず、朝食もとてもしょぼく、全くお勧めできません。カラマは鉱山の町なので全体的に物価が高いわりにはサービスが良くないことで有名なので、そもそも観光で行くようなところではないかもしれませんが、もう少し良い宿があるでしょう。いずれにせよ、この時はあまりに疲れていたので、ふかふかのベッドで寝られれば、それで十分だったんですけどね。

宿を確保した後、近くのファミレスで食事をとってこの日はさっさと寝ました。

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(ファミレスの食事。疲れていたので胃にこたえる。しかし、疲れていなかったら美味しく感じられたかと聞かれたら、それもまた微妙。まさか、チリは食事がおいしく、、、ない?メキシコはファミレスでも十分に食事が美味しかったのですが)

明日は、飛行機でチリの首都、サンティアゴに飛びます。